TRADE MARK TOPICS 商標お役立ち情報

Ｑ：どうして商標を登録する必要があるのでしょうか。

Ａ：商標を登録するには費用がかかりますから、できることなら登録せずに済ませたいところですよね。

現に、

「商標の登録なんていらないよ。別に、うちは同じ商標を他社が使っていても気にならないし、商標を登録して他社の商標をどうこうしようとか面倒なことは思っていないから。」

といった経営者様のご意見も耳にします。

このようなご意見は、商標登録の効果の一面を捉えており、ある意味正しいといえます。

ただ、「権利行使をする側」の必要性だけを見てしまっており、「権利行使をされる側」に立った場合のリスク検討が十分になされていないところに危うさを感じます。

「自分は昔から商標を使用している」、「他人に権利行使をしようとは思わない」という前提に基づいて「商標を登録する必要性は低い」と結論付けてしまいがちですが、経営者としては、「他人が同じ商標を登録してきたらどうするか」、「他人が権利行使をしてきたらどうするか」という「商標を登録しないリスク」の検討もしておきたいところです。

このように、登録する必要のある商標かどうかを判断するに際しては、「権利行使をする側」と「権利行使をされる側」、双方の視点と立場から検討する必要があります。

他人から権利行使をされないためには、他人に先んじて商標を登録しておくことが最も効果的です。他人に対して権利を行使するかどうかという点も大切ですが、他人から権利を行使されたらどうするか、つまり、将来も安全にその商標を使用し続ける必要があるかどうかをしっかりと意識しながら、商標登録の必要性を判断しましょう。