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事例紹介

2025.02.15

「+」記号の有無に関する審決 [弁理士 德永弥生]

「+」記号の有無に関する審決 [弁理士 德永弥生]

 「+」記号の有無に関する審決を2件ご紹介します。

(1)拒絶査定不服審判
【審判番号】 不服2023-18211
【結論】   本件審判の請求は、成り立たない。
【本願商標】

 

(商願2022-134036)

第44類「リハビリテーションの指導及び助言」他

【引用商標】
「リハライフ」(標準文字)
第44類「リハビリテーションの指導及び助言」他

■当審の判断
 請求人は、本願商標が「リハライフ」と称呼可能な構成部分をその一部に有するとしても、その外観において著しく相違し、観念においても識別が可能であり、外観と観念の相違が称呼の共通性を凌駕するものであり、また、称呼においても常に「旗の図形」を念頭に、本願商標を識別標識として特徴付ける「+/プラス記号」及び「リハライフプラス」の構成要素によって、本願商標から生じる識別標識としての称呼は「リハライフプラス」と称呼するものである旨主張している

 しかしながら、本願商標の図形部分と各文字部分とは、外観上、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせず、また、図形部分及び各文字部分との間には、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできない。加えて、本願商標の構成中、「RehaLife」の欧文字部分は、顕著に大きく横書きされた造語である一方、「デイサービスセンター」、「+」及び「プラス」の語は、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであることからすれば、本願商標から、「RehaLife」の文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものであることは、上記1(2)のとおりである。

(2)不使用取消審判

【審判番号】 取消2023-300128
【結論】   登録第5807563号商標の商標登録を取り消す。
【本件商標】
GlassPong」(標準文字)
第9類「電子計算機用プログラム」他
【使用商標】
「GlassPong+」

■当審の判断
ア 使用商標について
 Nonnon Baba社が、要証期間である2023年1月頃に、「GlassPong+(グラスポン プラス)」の文字(以下「使用商標」という。)を用いて、App Storeにおいて、アプリを広告及び販売した(乙1、乙2)と推認できるところ、使用商標における、「(グラスポン プラス)」の部分は、「GlassPong+」の読みを表していると認められ、使用商標において、「GlassPong+」が自他商品及び役務を識別する要部であると認められる。

 そして、使用商標の要部である「GlassPong+」と、本件商標(上記第1)とは、「+」(プラス)の文字の有無で相違することからすれば、直ちに、使用商標が本件商標と同一又は社会通念上同一ということはできない

イ 使用者について
 また、仮に、使用商標が本件商標と社会通念上同一であるとしても、要証期間である2023年1月頃、使用商標を付してアプリを広告及び販売したのは、Nonnon Baba社である。

 そして、被請求人は、被請求人とNonnon Baba社との関係について説明しておらず、被請求人が提出した証拠からは、Nonnon Baba社が本件商標についての専用使用権者又は通常使用権者であることは認められない。・・・

ウ 小括
 したがって、被請求人が提出した、アプリについての証拠方法(乙1、乙2、乙4)からは、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したと認めることはできない。

 「+」記号は識別力が弱いため、「+」記号の有無だけの差異であれば、原則は商標が類似すると判断されます。1件目の拒絶査定不服審判では、「RehaLife」部分が目立つ構成態様であることも理由だとは思いますが、「+」「プラス」部分は識別力がないか極めて弱く、「RehaLife」部分が要部であるとして商標類似と判断されました。

 一方、2件目の不使用取消審判では、登録商標の後ろに「+」記号を付けた使用商標が、登録商標と社会通念上同一の商標とはいえないと判断されました。このように、「+」記号に限らずですが、登録商標に識別力のない文字等を組み合わせて使用する場合であっても、全体として一体性があると認識され得る場合などには、登録商標と社会通念上同一の商標とみられない可能性があるため注意が必要です。

 

※本件記事の情報は、執筆時点で入手可能な法令・判例等に基づいて作成した一般的な解説です。最新の法令・判例と異なる場合や、個別の事案には必ずしも適合しない場合があります。具体的な対応が必要な場合は、弁理士にご相談いただくようお願いいたします。

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