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豆知識
2025.09.17
【商標Q&A 第24回:ブランディングって何ですか(その1)】
Q: 我が社は今までブランドというものを意識していなかったのですが、付き合いのある経営コンサルタントから、「社長、せっかく良いものを作っているのですから、ちゃんとブランディングしないとダメですよ」とアドバイスをもらいました。「ブランディングって何をするのですか?」と質問しても、「それはブランディングの専門家に聞いてください。私はそちらの専門ではないので…」とはぐらかされてしまいました。ブランディングって、一体何を意味する言葉で、何をすればいいのですか?
A: ブランディング…よく耳にするのに、すごく曖昧なカタカナ語ですよね!人や団体によって定義は多少異なると思いますが、当職が思うところの「ブランディング」とは、『ある「ブランド」に対して、ブランドの所有者(企業や個人)が抱く「想い」と利用者(顧客)が抱く「イメージ」とを一致させていくための一連の活動』、と表現できるかと思います。でも、そもそも「ブランド」という言葉がピンとこないと、この説明もよくわからないですよね。また、ブランドが存在しない企業の場合は、ブランディングの一環として、ブランドの構築からスタートすることになります。ということで、ブランディングの話をする前に、今回は「ブランド」とは何か、というお話からしていきましょう。
この「ブランド」という語ほど曖昧で捉えところのない言葉はそうない気がします。「ブランド品」や「高級ブランド」という言葉を耳にした際、有名な企業名を思い浮かべる方が多いでしょうし、ロゴや商標を思い浮かべる方もいるでしょう。あるいは単に「製品そのもの」をブランドだと感じている方もいらっしゃいます。何が正解なのでしょうか。
ブランドとは、ひとことで言えば「顧客が心の中に抱くイメージの総体」です。企業のイメージ、製品のイメージ、サービスのイメージ、それらをひっくるめて「◯◯といえば、こういう会社だよね」「◯◯なら、きっとこういう品質だよね」と思い浮かべてもらえる、その状態こそがブランドといえます。
もともと“brand”という言葉は、古ノルド語の「brandr(焼き付ける)」に由来し、焼印を用いて「これは自分の所有物だ」と示したのが起源とされています。その後、職人が自分の作品に目印をつけ、出所を保証し、品質を約束するようになりました。つまりブランドは、単なる「所有の印」から始まったものの、次第に「誰が作ったものか」「どんな品質か」「どんな価値を提供してくれるのか」を示すイメージへと進化してきたのです。
現代におけるブランドは、単に商品やサービスの出所や品質を意味することにとどまりません。そこには、作り手の「こだわり」や「想い」、そして顧客の「期待」や「信頼」といった感情が織り込まれています。ブランドとは、企業と顧客との間に交わされる「約束」であり、その一貫性と継続性によって「らしさ」や「個性」が形作られていきます。
次回は、こうした「ブランド」をどう築き、どう育てていくのか、すなわち「ブランディング」の実際について具体的にお話していきたいと思います。もう少し「ブランド」について聞きたい!という方は、お気軽に弊所までご連絡くださいませ。
※本件記事の情報は、執筆時点で入手可能な法令・判例等に基づいて作成した一般的な解説です。最新の法令・判例と異なる場合や、個別の事案には必ずしも適合しない場合があります。具体的な対応が必要な場合は、弁理士にご相談いただくようお願いいたします。